DTM、打ち込みでのリアルな表現が難しいと言われるエレキギター。
ギタリストのカッコイイ演奏がDTMで再現できず、困ったことはありませんか?
今回は「Logic Proのデフォルト音源のみを使用して、リアルなエレキギターバッキング打ち込み術」を、動画とテキストを使ってわかりやすく解説します。
このぐらいの再現度を目指します!
使用しているDAWはLogic Pro X、音源もLogicデフォルト付属のものを使用していますが、基本的な部分は他のDAWにも共通しています。
メロディー・リフの打ち込みテクニックは下記記事をご参照ください。

ぜひ一緒に学んでいきましょう!
解説動画
具体的な方法は動画で詳しく解説していますが、この記事ではテキストで各章を詳しく解説します。
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エレキギター音色設定
音色選び
まずは音色を選びます。今回ははLogic Proデフォルト音源の「Sunburst Electric」を使用します。前回のエレキフレーズ編で使用したTwangy Electricでも構いません。(動画の1:08〜)

検索ボックスに「Sunburst Electric」と入力するのが早いです。
音色調整
次に音色を調整していきます。
まずはミキサー上部にある「Sampler」をクリックします。

音色設定画面が出たら、左下のパラメーターを短くして音のリリースを短くします。

音のリリースを短くすることでギターらしさが大幅に増します。重要ポイントです。
画面はLogic Proですが、他のDAWでもギターのリリースを短くすることでリアル感が増すのは同じです。
アンププラグイン設定
音色を決めたら、続けてアンププラグインを設定します。
「Sunburst Electric」の場合は、デフォルトで「Guitar amp pro」というプラグインが挿さっていますが、今回はこのプラグインを「Amp Designer」に変更します。

今回はアンプのプリセットから「01 Clean→British Blend Clean」を選択します。
もちろん、ご自身で好みの設定にしていただいても構いません。

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カッティングフレーズ入力
ここからは具体的にフレーズを入力していきいます。
今回は、コードカッティングとフレーズを交互に入れたバッキングを再現してみます。
ベタ打ち
まずはベタ打ちでコードとフレーズを入力しましょう。
■コードバッキング→楽曲にハーモニーを感じさせる効果
■単音カッティング→ギターの主張を強くし、リズミカルな印象にする効果
状況に合わせて複合的に使い分けましょう。
このままだと機械的ですので、ここから手を加えていきます。
ヒューマナイズ
自然な演奏の雰囲気を出すためにヒューマナイズを入れます。
ヒューマナイズはベロシティやデュレーションを設定範囲内でランダムに変更する機能です。
ピアノロール画面左上のメニュー
「機能」→「MIDIトランスフォーム」→「ヒューマナイズ」を選択します。

今回はデフォルトで設定してある数値をそのまま使ってみます。右下の「選択して実行」をクリックします。

本来であればギターの腕の振りに合わせてノートをずらすのが正しいのですが、手間のわりには聴感上はそれほど変わらないため、ヒューマナイズで十分です。
ミュート音
疑似的なミュート音を入れます。
コードのあいだの空白にノートをコピーして、長さを極端に短くし、ベロシティも低めに設定しましょう。
疑似的ミュートを入れることで、ギターの生演奏感が大きく増します。
手間はかかりますが、時間をかけるだけの価値のある作業です。
ピッチベンドでチョーキング
ピッチベンドを使ってチョーキングを再現します。
チョーキングとは、左手の弦を持ち上げることにより音程を変化させる演奏法です。
チョーキングを入れることにより、エレキギターらしさがグッと強調されます。長めのノートには積極的に入れていきましょう。
また、ギターの構造上、擬似的チョーキングを再現するためのピッチベンドは上方向のみです。
下方向ピッチベンドはスライド奏法のときに使用します。
ダブリング
最後はダブリングでステレオ感を出します。
複数回の演奏を録音し、それを左右同時に再生する手法ですが、これを打ち込みで再現してみます。
まずは空きのトラックを追加。

そして追加したトラックに、作成したギターをコピペします。

それぞれのパートのパンを左右に大きく振り分け、アンプやEQなどの設定で音を少し変えます。
2つのパートの音色を少しでも変化させないとダブリングの効果が出ません。

コピーしたパートは、部分的にハモらせたりオクターブ奏にしたりすると、変化を出せて面白いです。
ここまでを実際に再生すると、こんな感じになります。ヘッドフォン推奨です。
完成!
ここまでくれば完成です!
ファンク系
まずはスラップベースとEDMドラムでリズミカルに仕上げてみました。
スラップベースの打ち込み方法については、別の記事で詳しく解説する予定です。
スローバラード
スローテンポの曲でも活用できます。
この曲では音をあまり動かさず、単音カッティングでリズムを刻んでいます。シンプルではありますが、楽曲の要となる重要なパートです。
エレクトロ
ポップやファンクだけでなく、エレクトロ系で使用しても効果的です。シンセとエレキギターは意外と好相性です。
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ワウギター
ファンク系のカッティングギターには、定番エフェクトである「ワウ」がよく似合います。
特徴的な音質でファンキーな印象を大きく上げることができます。
ワウギターの基本的な作り方に関しては別記事に詳しくまとめていますので、そちらをご参照ください。

まとめ
エレキギターバッキングは、打ち込みにやや手間がかかりますが、作り込めばデフォルト音源でも十分に高いクオリティーが出せます。
エレキのカッティングプレイ打ち込みのレベルを上げることで、楽曲全体のクオリティを大きく上げることができます。
あらゆるジャンルで活用できるので、ぜひマスターしましょう。
このブログでは、DTMで生演奏のようなクオリティーを出すためのテクニックを他にも多数公開しています。
ぜひ参考にして、より高いレベルの楽曲制作を目指しましょう!
次回はアコースティックギター打ち込み徹底ガイド編です!
