2022年5月17日、ヴァンゲリス氏は79歳で逝去されました。
ご冥福をお祈り致します。
ヴァンゲリスというミュージシャンをご存知でしょうか?
70年代から現在まで世界的に活動しているギリシャの音楽家で、私にとっては作曲家を目指すきっかけを与えるほどの影響を受けたミュージシャンです。
ちなみに本名は「エヴァンゲロス・オディセアス・パパサナスィウ」。この名義でも活動しています。
そのシンセサイザーサウンドはまさに孤高。他の追随を許さない独創的なサウンドを今なお作り続けています。
彼の音楽活動は長期に渡るため、時代ごとにジャンルや音楽性がかなり変化していますが、私が好きなのは80年代前後の映画音楽を中心に作っていた頃の楽曲です。
今回はヴァンゲリスの王道とも言える代表曲をいくつかご紹介します。
ヴァンゲリス:孤高のシンセサイザーミュージック
南極物語のテーマ
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もう30年以上前ですが、今は亡き祖父に連れられて「南極物語」という映画を見に行きました。まだ小学校低学年の頃の話です。
南極に残された犬たちの過酷な運命と、人間との絆の物語。もちろん映画自体も名作と言える内容なのですが、私が衝撃を受けたのはテーマ曲の方でした。
シンプルながら一度聞いたら忘れられない印象的な美しいメロディ。そして南極の氷原を見事に表現するシンセ音色は、当時の日本ではそれほど知られていなかった南極のイメージを多くの人に印象づけました。
おそらく私が映像音楽を志すようになったのは、この曲を聞いたのが最初のキッカケだったのではないでしょうか。
炎のランナー
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81年公開のイギリス映画のテーマ曲です。こちらも名作映画ではありますが、日本ではテーマ曲のほうが有名です。おそらく聞いたことがないという人はいないでしょう。
16分音符の刻みからシンセストリングスの高揚、そして美しく輝くようなピアノの旋律には、誰しもが心を揺さぶられるはずです。ニューエイジ・ミュージックの最高峰と呼んでも差し支えない名曲だと思います。
ワタシはこの曲が好きすぎて、結婚式の入場曲にしましたよ。壮大過ぎ?(笑)
壮大過ぎて恥ずかしいわ。
ブレードランナー メインテーマ
82年に公開された、ハリソン・フォード主演のSF大作。現在でもファンが多く、2017年には続編が公開されています。
SF作品であることを意識してか、南極物語や炎のランナーよりもアップテンポでコズミックな印象が前面に出ていますが、どこか哀愁の漂うメロディとキレの良いシンセ音色は「これぞヴァンゲリス」と言える仕上がりです。
ブレードランナー 愛のテーマ
「ブレードランナー サウンドトラック」に収録された劇中曲。
シンセサイザーによるニューエイジ感の強い楽曲が多いヴァンゲリスですが、この曲は珍しくサックスがメイン。とはいえ、随所で使われるエレクトリック・ピアノとシンセストリングスによるヴァンゲリスらしさは健在。
むしろ、生楽器との組み合わせが存在感を引き立てる名曲と言えるかもしれません。
1492 コロンブスのテーマ
92年に公開された、コロンブスの生涯を描く大作映画のテーマ曲です。この曲もテレビ番組などで多く使われているため、聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。
荘厳な男女混声コーラスのメロディが非常に印象的。そしてこのメロディがコーラスとピアノで交互に奏でられることにより、有無を言わせぬ迫力と儚げな哀愁を同時に表現しています。
アルファ
76年リリースのアルバム「反射率0.39」収録。
日本ではテレビ番組「コスモス」でも使用されたため、40代以上の人であれば聞いたことがあるかもしれません。
アンセム 2002 FIFAワールドカップ
映画音楽ではありませんが、当然この曲を外すわけにはいきません。サッカーワールドカップのテーマ曲として使用され、日本でもオリコンチャートランクインするほどの人気を博しました。
「ヴァンゲリスの名前は知らなくてもこの曲は知ってる!」の代表格。
まとめ
これらヴァンゲリスの楽曲に共通するのは「シンプルながらも印象的なメロディと音色」です。
本人的には決して万人受けを狙ったわけではないのでしょうが、このシンプルなメロディと音色が、ヴァンゲリスの楽曲が世界中で親しまれている要因になっていると思います。
ぜひ映画音楽としてだけではなく、楽曲そのものを楽しんでいただければと思います!