私、高校時代は吹奏楽部に所属していました。
小さい頃からエレクトーンをやっていたものの、小学校〜中学校は音楽とは全然関係ない運動部に入っていたのですが、高校入学以降、将来は音楽の仕事をしたいと漠然と考えるようになり、思いつきで吹奏楽部に入ってみました。
結果的には、吹奏楽部時代の知識は現在の音楽制作の仕事にかなり役に立っています。
ついでに言うと部活の後輩と後に結婚しました。吹奏楽部、役に立ってます(笑)
この記事では
- 吹奏楽とは?
- 吹奏楽とオーケストラの違い
- 吹奏楽で使用される楽器の紹介
などを記載しています。
吹奏楽について知りたい人、吹奏楽部に入りたいけど迷っている人、楽器の知識をつけたい人におすすめの記事です!
知識があればもっと人生楽しい!
吹奏楽とは
吹奏楽部自体はどの学校にもあるので知らない人はいないと思いますが、音楽に興味がないと吹奏楽部が何をやっているのかよくわからないと思うので、簡単に説明します。
管楽器&打楽器で構成されるバンド
吹奏楽部とは、管楽器と打楽器(パーカッション)で構成されるバンドのことを指します。
クラシック音楽でよく聞く”オーケストラ”との違いは「弦楽器(バイオリンやチェロなど)の有無」です。吹奏楽部には基本的に弦楽器は使われません。もちろん、曲によってはコントラバスやギター系の楽器も使用することはありますが、メインとして弦楽器を使うことはありません。
オーケストラと吹奏楽の違い
この2つの音楽的な違いを超おおざっぱに言うと、下のような感じになります。
■オーケストラ
弦楽器の情緒豊かな音色を活かし、音楽的な奥行きや広がり感を活かせるため、幅広い表現が可能
■吹奏楽
管楽器のきらびやかで伸びのある音色を活かした、メリハリのある迫力ある音楽が得意
参考までに、こちらはオーケストラで演奏されるドヴォルザークの「新世界より 第4楽章」。弦楽器の存在で、冒頭から非常にドラマチックな表現になっています。
また、中盤からの柔らかくも緊張感のある雰囲気もオーケストラならではです。
そしてこちらは吹奏楽、一般参加型バンド「佐渡 裕&シエナ・ウインド・オーケストラ」による「星条旗よ永遠なれ」です。
吹奏楽はクラシックからポップスまでジャンル問わず演奏されますが、やはり本領を発揮するのはマーチ曲かもしれません。聴いているだけで気分がアガってきます。
この華やかで活力のある演奏は、オーケストラでは出せない吹奏楽のアドバンテージと言える部分のひとつです。
ちなみに一般参加型のブラスバンドといえば、ヤマハの「ブラスジャンボリー」も有名です。私がヤマハにいたころ、隣の部署で主催してました。
吹奏楽は、趣味として生涯に渡って楽しむことができるのも大きな魅力のひとつですね。
吹奏楽の楽器構成
吹奏楽は大きく分けて「金管楽器」「木管楽器」「打楽器」の3つのグループで構成されています。
ここでは吹奏楽で主に使われる楽器を、動画と合わせてご紹介したいと思います。
金管楽器
真鍮(ブラス)製の楽器群です。といってもプラスチック製の楽器なんかもあるので、正しくは「マウスピースを使って唇の振動で音を出す楽器」を指します。マウスピースから音を出すのはコツがあり、練習しないと音を出すことは出来ません。
トランペット
豊富な音量(デカイ音)ときらびやかに伸びる高音で、バンドの中で一番目立つ吹奏楽の花形。ジャズやポップスでもメインで使用され、もちろんオーケストラでも主役として使われます。
「天空の城ラピュタ」でパズーが吹いてるアレです。ちなみにパズーの演奏、見た目ほど簡単ではありませんよ〜。
ちなみに音がでかくて目立つ分、ミスをすると目立ちます(笑)
トロンボーン
他の楽器とは違い伸縮管をスライドさせて音程を変える、見た目にも面白い楽器。トランペットに負けない音量で、中音域〜低音域を支えます。
下の動画はトロンボーン四重奏という割と珍しいスタイル。柔らかく、温かみのある音色が印象的です。
ホルン
丸い見た目が特徴的な楽器。ベル(先端の広がった部分)に右手を入れて音色を調整できます。主に中域の伴奏を担当しますが、場合によってはメロディも奏でる、バンドの縁の下の力持ち。
この動画のホルンソロ、超カッコイイ!!
次に紹介するユーフォニュームよりは有名な存在だったはずなのですが、後述の理由から吹奏楽で最も目立たない楽器となってしまいました…。
ユーフォニアム
中低域〜低域を担当する楽器。以前は全楽器の中で一番目立たない地味な存在でしたが、「響け!ユーフォニアム」というアニメが流行ってしまったため一躍有名に。頑張れホルン!
丸く優しい音色は非常に印象的です。
チューバ
低音域を担当するデカイ楽器。バンドを支える重要な存在で、これがなければブラスバンドは完成しません。
基本的にベース音域担当ですが、下の動画のようにメロディを奏でても一級品です。
また、同じ低音担当でマーチングに特化したスーザフォンという楽器もあります。バズーカみたい。
木管楽器
リードを使って音を出す管楽器の総称です。木管と言いつつ、フルートやサクソフォンのように金属製の楽器もあります。
フルート
いわゆる横笛。優雅で優しい高音域はオーケストラ以外でもジャズやポップスでも使用され、特にソロ演奏の美しさは全楽器の中でも随一と言えます。
動画は上野星矢氏のソロ「春よ来い」。涙が出るほど美しい演奏です。
フルートよりも高音域を担当する、一回り小さな楽器「ピッコロ」もあります。
クラリネット
広い音域と周りの音に馴染みやすい音色で多くの役割を担う、木管楽器の花形です。オーケストラや吹奏楽はもちろん、ビッグバンドジャズではメインを張ることも多いです。
動画はエヴァン・クリストファによるカルテット。これぞクラリネット・ジャズというべき軽快でファンキーな演奏です。
オーボエ
抜けの良い独特な音色で、メロディからオブリガート、伴奏までこなすブラスバンドの立役者。演奏難易度は楽器全体の中でも高めと言われています。
ファゴット
低音域を担当するやや大きめの木管楽器。バスーンとも呼ばれます。
基本的には低音担当ですが、親しみやすい丸みのある音色はメロディを奏でる場面も多いです。というより、メロディ楽器としての印象のほうが強いかも。
サクソフォン
トランペットと並ぶ吹奏楽の花形。ソプラノ、アルト、テナー、バリトンなどの種類があり、吹奏楽においては「なんでも屋」な印象ですが、ジャズやポップスでは文句なく主役級の楽器です。
動画は伊東たけし氏によるT-SQUAREの「Forgotten Saga」。最高です。
打楽器
パーカッションと呼ばれる、主にリズムを担当する楽器群です。
ちょっと数が多すぎるので、これは別記事にまとめます〜。
ここまでが主に吹奏楽で使用される楽器です。これらの音色や役割、特徴を踏まえた上で吹奏楽の曲を聴いてみると、普段以上に楽しめると思います!
吹部?ブラバン?
ところで、私が高校時代は吹奏楽部のことを「ブラスバンド」略して「ブラバン」と呼ぶのが一般的だったのですが、最近では「吹部(すいぶ)」と呼ぶのが一般的らしいですね。なんとなく時代の変遷を感じます。。
ブラバンの定番曲
吹奏楽がブラバンと呼ばれた時代の定番曲といえば、なんといってもコレでしょう。
T-SQUARE「オーメンズ・オブ・ラブ」!
フュージョン大好きなエレクトーン弾きの私にとっては非常に思い出深い曲。アップテンポでノリが良く、万人に好まれやすいメロディがブラスバンドと好相性です。
作曲者は私の最も尊敬するミュージシャンの一人である和泉宏隆氏。2021年、急性心不全で逝去されました。残念でなりません…。
吹部の定番曲
そして吹奏楽部が「吹部(すいぶ)」と呼ばれている現在の定番といえばやっぱコレです。
東京スカパラダイスオーケストラ 「Paradise Has No Border」
スカパラ、死ぬほどカッコいいです。ブラスセクションの最高峰の一角と言えます。
ゲスト出演のさかなクンは元吹奏楽部。「水槽学かと思ったら吹奏楽だった」という鉄板ネタをひっさげ、ライブ演奏を披露してくれます。
さかなクンが使用している楽器はバスサックス。バリトンサックスはメジャーですが、バスサックスまで行くとかなりレア楽器です。私も実物は見たことありません。
ちなみにこのさかなクン、ヤマハ社員時代にブラスジャンボリー関連で2回ほど見かけたことがあります。スタッフにも丁寧な言葉づかいで、とっても好印象でした。
さらに私の専門学校時代の同級生が、さかなクンと中学時代に同じクラスだったとか。私もその気になれば知り合えそうな感じです(笑)
ちょっと知識があると見え方が変わる!
ざっとここまでの知識をアタマにいれただけでも、吹奏楽を聴く印象がかなり変わってくると思います。
吹奏楽を聞く機会があれば、それぞれの楽器の良さを感じながら聴いてみると、数倍楽しめると思います!