クラシック音楽と言えば、最初に思い浮かべるのは壮大なオーケストラかもしれませんが、クラシックピアノも忘れてはいけません。
ピアノは、たった1台で美しくも繊細、そして大胆な音楽表現ができる素晴らしい楽器です。
今回は数あるクラシックピアノの名曲の中でも、スローテンポで癒し効果の特に高い楽曲をピックアップしていこうと思います。
心安らぐクラシックピアノは、寝る前や食事中、読書中などのBGMにも最適です!
癒しのクラシックピアノ名曲
ショパン/ノクターンOp.9-2
まずはショパン。クラシックピアノを語るうえで、この人を外すわけにはいきません。
ショパンのノクターン(夜想曲)は全部で21曲ありますが、最も有名なのがこのOp.9-2でしょう。一般的にショパンのノクターンと言えばこの曲を指すことがほとんどです。
おそらく誰もが1度は聞いたことがある名曲中の名曲です。
ショパン/別れの曲
こちらもショパンの代表的な楽曲。
ショパン本人が「一生のうち二度とこんなに美しい旋律を見つけることはできないだろう」と語ったといわれる曲。
その言葉通り、その甘く美しい旋律、そして中間のドラマチックな盛り上がりはすべての聴衆を魅了します。
ショパン/雨だれのプレリュード
ショパンの前奏曲(前奏曲)は全26曲ありますが、第15番の「雨だれ」がもっとも有名かもしれません。
静かで繊細な前半部分と、重く情緒的な中間部分の対比が面白い曲です。どことなく、人間の感情表現そのものを感じさせてくれる雰囲気があります。
サティ/ジムノペディ 第1番
フランスの作曲家、エリック・サティの代表的なピアノ曲。
非常にシンプルな曲調と、哀愁のあるメロディが印象的。どことなく日本的な味わいを感じるのは私だけでしょうか?
ヒーリング効果のある楽曲としても有名で、音楽療法にも多く用いられています。
シューマン/トロイメライ/子供の情景7.Op.15
「子供の情景」は、シューマンによる前13曲のピアノ曲。特にこの第7番「トロイメライ」が有名で、シューマンの代表曲と言えます。
幻想的かつ情緒的でありながら、どことなく哀愁も感じさせるメロディーが美しいです。
バダジェフスカ/乙女の祈り
ポーランド出身の作曲家、バダジェフスカ。名前は一般的にはあまり知られていないかもしれませんが、この「乙女の祈り」は誰もが知る有名な曲でしょう。
ドラマチックなイントロに始まり、親しみやすく耳に残るメロディが非常に印象的です。
最近は東京駅などで安全柵開閉メロディに使用されているため、耳にする機会も多いかと思います。
ドビュッシー/アラベスク第1番
私、クラシックピアノ作曲家の中ではドビュッシーがダントツで好きなのですが、その中でも最も好きなのがこの「アラベスク第1番」です。
流れるような勢いがありつつも、幻想的で儚さを感じさせる旋律は、どことなく「夢の中」を感じさせる世界観です。
ドビュッシー/夢
上の「アラベスク第1番」が”夢の中”のイメージと書きましたが、こちらはタイトル自体が「夢」。アラベスクと同じく、ドビュッシーならではの幻想的な世界観が魅力です。
ドビュッシー/亜麻色の髪の乙女
どこか田舎の風景、大草原の情景を思い浮かばせる楽曲。素朴で優しさにあふれたメロディーが、最高の癒やしを与えてくれます。
ちなみに亜麻色とは「亜麻をつむいだ糸の色のような黄色がかった薄茶色」なんだそうです。
ドビュッシー/月の光
ドビュッシーの代表曲とも言える楽曲。スローで物悲しい曲調から始まり、中間部からドラマチックに展開します。
情緒豊かに次々と変化する様子はは、まるで小説を読んでいるかのような展開で、聞く人を飽きさせません。
リスト/愛の夢
リストの「愛の夢」は全3曲で構成されており、この第3番が特に有名です。
副題は「おお、愛しうる限り愛せ」。なんて情熱的なタイトル(笑)
この副題を思い浮かべた上であらためて聞いてみると、聞こえ方も変わってくるかもしれません。
ベートーヴェン/ピアノソナタ8番「悲愴」第二楽章
ベートーヴェンの初期の代表的な作品。
この第2楽章は「悲愴」という副題とは裏腹に、優しさに満ちたとても美しい曲です。
個人的には「機動警察パトレイバー3 the Movie」で使用されていたのが印象的。
https://studio-incho3.com/patlabor3-the-movie-bgm/ベートーヴェン/月光第1楽章 ピアノソナタ
ベートーヴェンのピアノソナタ第14番第1楽章。
途切れない3連符の伴奏、そして静かで物哀しいメロディは、どんなときに聞いても心を落ち着かせてくれます。
個人的には「バイオハザード1」で使用されていたのが印象的です。なんでこの曲を弾くと扉が開くんだろう?(笑)
ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
私はクラシックピアノ作曲家ではドビュッシーがいちばん好きですが、楽曲としてはこの「亡き王女のためのパヴァーヌ」が最も好きな曲かもしれません。
特筆すべきはやはり究極に美しいメロディです。ここまで美しいメロディは、現代においても比例する曲はなかなかないと思います。
メンデルスゾーン/春の歌
たぶん「曲名も作曲家も知らないけど聞いたことはある曲」第1位の曲でしょう。
優しく可愛らしいメロディは、聞く人の心まで優しくしてくれると思います。まさに「春の空」のイメージにピッタリな曲です。
まとめ
難しそうで敬遠されがちなクラシック音楽ですが、ピアノ楽曲であれば普段の生活のBGMとしても最適で、きっと疲れた心を癒してくれるはずです。
まずは自分の気に入った曲や作曲家を見つけ、気軽に楽しんでいただければと思います。