もう10数年前の話ですが、私はとある都内のベンチャー企業に勤務していました。
当時流行していた「韓流」の情報サイトで売上を伸ばし、新たなる一手のためにさまざまな新企画を立ち上げている、まさにイケイケの時期。
私は「現代を生きる女性のための情報サイト」のとある企画を担当することになりました。
これはそのときに体験した、あまりにも悲しすぎる話です…。
本屋さんでの死闘
社長の指令
ある日、社長(女性)からとある指示を受けました。
ちょっとさー、今月号の雑誌「anan」買ってきてくれない?
アンアンっすか…?
ananと言えば女性向けの超メジャーなファッション誌。きっとサイト制作の参考にするのだろうと思い、気軽にOKして本屋さんへ向かいました。
売ってたのがコレ。
特集は「響き合い、感じ合う、いちばん幸福なSEX」ですよ。
30代男性である私に書店でコレを買えと!?
何でしょうねこの背徳感。普通に男性向けエロ本を買うよりも抵抗があります。
婦人雑誌コーナーをウロチョロし、セックスの特集を組む女性ファッション雑誌を手に取る30代ののオッサンが一人。さぞかし挙動不審だったことでしょう。
狙ったようにレジ担当は若い女性。思わず表紙を裏側にして出してしまいました。
小心者です。なんとでも言え。
無事購入
「俺が読むんじゃないんスけどね〜」みたいな顔してレジ精算を終え、無事に会社に戻ってくることに成功。
自社サイトに雑誌の紹介のため、アマゾンへのリンクを貼る作業をしているとき、私はようやく気付きました。
アマゾンで買えばよかったじゃねーか!!!
※10数年前の話なので、まだそこまでアマゾンでの買い物がメジャーじゃなかったんです…
会社から支給されたDVD
女性向けアダルトビデオ
それから数日後。
例の女社長から、とあるDVDを渡されました。
女性向けのセックスのノウハウが入ってるDVDらしいのよ。ちょっとこれ見てレビューしてくれない?
ほへー!?
ジェンダーフリーが一般的になってきた今でこそ女性向けアダルト動画は珍しくもありませんが、当時としてはかなり珍しい商品でした。そんなのが存在するというだけでビックリという時代です。
受け取ったのがコレ。
「エッチDVD for gial」って露骨すぎんだろコレ。
しかもどう見てもコピーしたDVDっぽい…。版権とか大丈夫なのだろうか…。
社長は「会社で見てもいいのよ〜」とか言ってましたがさすがにそんな度胸はなく、家に持って帰って見ることにしました。
セルフ鑑賞会
その夜。
ヨメと娘が寝静まったのを確認し、パソコンでDVDを再生!!
…。
……。
おおおぅ…。
普通にAVですコレ。
社長は「会社で観てもいい」とか言っていたが、
こんなモン会社で見れるワケねーだろ。
もちろん女性向けということで内容はソフト、というかリアル路線。コンドームをしっかりと装着する場面が描かれているのが印象的。
むしろ男性が参考にしたほうが良いんじゃないかという内容です。
そんな感想をいだきながら、ひとり鑑賞を続ける30代男性(私)をよそに、画面内の2人はどんどん盛り上がっていきます。
モニター画面でからみあう男女。
二人の男女の愛が響き合い、絶頂の扉を開くまさにその時!
「ガチャ」
部屋の扉も開いたのでした。
なに見てんのよアンタ ( ̄w ̄) ニヤリ
ほげーー!!??
普段なら夜中になんか絶対起きてこないヨメが、こんなときだけ起きてくるという。なんでやねん。
ワタクシ一生の不覚。
い、い、い、いや、こ、これは、仕事で…
アンタねぇ、別にエロビデオ見てたって文句は言わないけど、仕事だとかそういう情けない言い訳を…
いやホントに仕事…
問答無用だこのゲスが!!(ゴキッ)
ひいいいいぃぃぃいいぃぃぃ
嫁のローリングソバットを喰らった後、誤解を解くのに一晩を要したことは言うまでもありません。
まあ今にして思えば、この状況で「仕事」とかいっても言い訳以外の何物でもありません。ホントに仕事だったんですけどね…。
まとめ
まとめもクソもありません。
夜中に一人でアダルトビデオを観るときは、たとえ仕事だろうと女性向けだろうと、背後には気をつけましょう。