ファミコンディスクシステムの名作「ファミコン探偵倶楽部」、35年ぶりに完全新作が発売されました!
サブタイトルは『笑み男(えみお)』
笑顔の紙袋を被った殺人鬼、なかなかのホラー感です。
令和になった今でも、このシリーズが楽しめるなんて思ってもいませんでした。ファミコン時代からのファンである私、当然発売日に購入してプレイしましたよ!
この記事ではネタバレなしでの雑感を記載していこうかと思います。
「ミステリーといえばファミコン」世代
タイトルが「Switch」でも「Nintendo」でもなく「ファミコン」のままなのが心憎いですね。
私はミステリーや推理小説が大好きなのですが、思い返せば最初に体験したミステリーは「ポートピア連続殺人事件」「オホーツクに消ゆ」「さんまの名探偵」そして「ファミコン探偵倶楽部シリーズ」でした。
ファミコン世代にとっては、このタイトルはけっこう重要だったと思います。「ニンテンドー探偵倶楽部」じゃダメなんですよ。「ファミコン探偵倶楽部」じゃなきゃ。
…まあ、当時の小中学生にはかなりトラウマな内容でしたけどね…。
ポートピアやオホーツクに比べると、ファミコン探偵倶楽部は「少年探偵が主人公」という点で優れており、江戸川乱歩の少年探偵団をそのまんま自分で体験できるワクワク感は当時他にありませんでした。
今だったら「名探偵コナン」とかいろいろありますが、自分視点で進む没入型コンテンツとしては、アニメよりもゲームの方が優れているとも感じます。
実際にプレイしてみた
時系列
最新作「笑み男」は、シリーズ3部作(サテラビュー版は除く)の時系列でも最新となります。
うしろに立つ少女→消えた後継者→笑み男
という時系列。実際に「笑み男」では過去2作品のネタが随所に散りばめられており、過去作をプレイした人にはニヤリとする場面も多いです。
もちろんストーリーに影響するほどではないので、今作から始めてプレイする人でも大丈夫です。
時代的には1990年代のイメージでしょうか。ガラケーがまだ普及していなかったり、女性警官を「婦警」と呼称するなど、意図的に昭和末期〜平成初期をイメージさせる表現が随所に使われています。
ストーリー
横溝正史の影響を大きく受けていると思われる第1作、学校の怪談をベースにした都市伝説をモチーフにした事件である第2作。
最新作「笑み男」も都市伝説をモチーフにしており、さらに学校がらみで話が展開するため、雰囲気としては第2作に近いです。
とはいえ、終盤に怒涛のホラー展開を迎える第2作目と比べると、今作は怪人「笑み男」の存在が常に見え隠れするストーリーで、十分に差別化はされています。
キャラクター
主要キャラクターはいつもの3人。
主人公
主人公。
空木探偵事務所の助手で、今作では19歳ながら童顔のため、子ども扱いされることもしばしば。
とりあえず「携帯電話は常に充電しとけ!」と言いたい。
橘あゆみ
主人公と同じく空木探偵事務所の助手。メインヒロイン。
今作では彼女視点でプレイするパートも多く、準主役級の扱い。
空木俊介
警察からも信頼される名探偵。
でも毎回影が薄い。今回も薄い。
まあ、彼が表立って活躍してしまうと主人公の存在の意味がなくなってしまうので致し方ないところか。
そして物語のキーとなるこの人。
笑み男
「えみおとこ」ではなく「えみお」と読みます。
笑顔の描かれた紙袋を被った怪人。これ実際にいたら怖いんでしょうか??
確認のため、受験勉強中の中3息子に実際に被ってもらいました。
うーん…。
マクドナルドの袋なのがいけなかったのか、それとも父の絵心に問題があったのか。
あんまり怖くありません。ケムール人っぽくなってしまいました。
…まあ、こんな奴と道ですれ違ったら逃げますけどね。あらゆる意味で怖すぎます。
そういえばバイオハザードのチェーンソー男とちょっと似てます。ジェイソン然り、犬神家の一族のスケキヨ然り、顔を隠すと異様な威圧感が出ますね。
しかもこの人の場合は…真相は本編で!!
システム
基本的にはシリーズ前2作と同じ、コマンドで選択肢を選んでいくシステム。総当たりで選択すれば、いつかはクリアできます。
途中に推理パートを挟みますが、推理というよりは内容確認。記憶力勝負でなんとかなるうえに、ストーリーにはほぼ影響しません。(選択肢の成否が加点要素となるオマケがあります)
レトロなシステムのため、人によってはこれでフルプライス(¥6,500)は高いと感じるかもしれません。
私自身は「体験型コンテンツ」と考えれば全然アリな値段設定だと思います。グラフィックやアニメーションも秀逸ですし、何より声優陣がやたら豪華です。ここまで豪華にしなくても良いんじゃ?と思うぐらい豪華(笑)
サウンドも「古き良きゲームミュージック」を洗練させた感じで非常に良いです!
最近のゲーム音楽はクオリティ高すぎて「別にゲーム音楽じゃなくても良くない?」みたいなのが多いですからね。
別に「クオリティが高すぎる音楽が悪い」と言っているわけではないですよ。単なるバランスの問題です。
まとめ
ということで、久しぶりに推理アドベンチャーゲームを楽しませてもらっています。
このシリーズ、今後もどんどん出してくれないかなー。ファミコン時代に2作で終わってしまったことが非常に残念でしたので、令和の今こそ続編をあと10作ぐらい作っていただきたいです!