さきほど、2022年のオーディオストック売上まとめ記事を書いている途中、オーディオストックから次のようなメールが送られてきました。
株式会社オーディオストックでは、昨今の状況とAudiostockでの販売方法の多角化を鑑み、サービスを見直した結果、
2023年8月1日より、報酬率(報酬パーセンテージ)の計算方法について下記の通り変更を実施することといたしました。
■ 主な変更ポイント
1. 計算のベースを累計単品購入数から、過去一年間の各種販売報酬実績に変更
2. 報酬率を全体的に見直し
3. 新規販売用作品登録数による報酬率の加算を廃止
クリエイターにとってはけっこう大きな変更になるので、どういったメリット・デメリットがあるのかを考えてみようかと思います。
報酬率の変更
従来の報酬率計算
従来は、過去の累積単品購入数によって、売上金額に数パーセントの付加がされていました。
クリエイターが受け取れる金額は、最初は設定金額の40%。その後、単品の楽曲が売れれば売れるほど金額が上がっていく仕組みです。
ここでプラスされたパーセンテージは、継続的に加算されたままという設定でした。
↓現在の報酬付与率↓
変更後の報酬率
しかし、昨今は単品購入よりも定額制による収入が主力となってきているため、販売数ではなく実際の売上金額でパーセンテージを加算していく仕組みに変更になるようです。
具体的には過去1年間での売上が高ければ高いほど、報酬付与率が上がっていく仕組みです。おそらく、過去1年の実績をもとに毎月付与率が変動していくものと思われます。
↓変更後の付与率↓
この変更により、従来は40%の付与率からスタートだったのが、30%へと大きく下がってしまいました。
とはいえ、コンスタントに楽曲を投入しているのであれば、年間売上 ¥10,000 ぐらいであればそれほど高い壁ではありません。
おそらくは大半のクリエイターが報酬率35%〜40%に含まれることになると思います。
42%の報酬率を得るには最低でも月に¥41,666を売り上げなくてはならず、これはけっこうハードルが高いです。
現在、販売累積で付与率42%〜46%ぐらいのクリエイターの多くは、付与率40%に落ちてしまうことになると思われます。
私も現在は43%〜46%の付与率ですが、変更後しばらくは40%ということになりそうです。
個人的感想
…まあ、報酬率が落ちると言ってもせいぜい5%程度のクリエイターがほとんどだと思いますので、はっきり言って文句を言うほどの変更ではないと感じています。
むしろ、これだけ優良なプラットフォームを無料で使用できて付与率40%、十分に妥当な範囲と言えるのではないでしょうか。
文句があるなら自分でサイト作って配信すればいいというだけの話です。
新規楽曲登録数による報酬率の加算を廃止
もう一つの大きな変更点が「新規販売用作品登録数による報酬率の加算の廃止」です。個人的にはこちらのほうが影響が大きいと思っています。
変更前の計算
従来は、前月に新しい楽曲を多く登録すると報酬パーセンテージが増える仕組みでした。ただし有効なのは条件を満たしている月のみです。
例えば5月に30曲を新たに登録すれば、6月の報酬率が+3%となります。ただし有効なのは6月のみで、7月も+3%を保ちたいのであれば、7月も新規楽曲を30曲以上投入する必要があります。
変更後は廃止!
システムが変更となる2023年8月以降は、この制度自体が廃止となってしまうようです。個人的にはこの変更の影響はそこそこ大きいと感じています。
報酬付与率の上昇自体は最大で3%と微々たるものですが、私の場合は「月の制作数を最低10曲、余裕がある月は30曲」と言った感じで、制作数の基準にしていました。
これ、同じように考えていたクリエイターさんも多いのではないかと思います。ある程度の目標数、というか「縛り」があったほうが行動しやすいんですよね。。
まあ、数にとらわれずに、思ったように作れると言うのはメリットでもあるのですが…。
個人的感想
この変更により、これまでの「パーセンテージを上げるためにバリエーション曲を適当に作って曲数を水増しする」という行動に意味がなくなり、全体の楽曲クオリティが上がるのではないかと思っています。
バリエーション曲:原曲の長さやテンポなどを変更した別バージョンの曲のこと
もともとバリエーション曲は元曲に比べると検索順位や試聴回数なども大きく劣り、あまり売り上げに貢献していない曲が大半でした。
今回の変更で、オーディオストックも従来の「質より量」から「量より質」にシフトチェンジしていくのだと思います。
「量」ももちろん大事ですが、顧客目線ではやはり「質(クオリティ)」が重要ですからね。
まとめ
今回の変更では、初回の報酬率が30%に下がってしまったため「新規参入が難しくなった」と感じる人が多いかもしれません。
でも実際のところ、今回の変更で一番影響が大きいのは累計販売を重ねてきていた古参組ですよね。過去の実績がいきなりチャラになってしまうんですから…。
さらに楽曲の水増しも不要になるため、今後は楽曲の増加数もゆるやかになり、クオリティの高い楽曲が目立ってくるようになるはずです。
そうなると「新規参入でもクオリティが高ければ稼げる」という感じに変化していくのではないかと思います。
私個人としては、今回の変更は将来的には良い影響が出ると思っております。知らんけど。