BGM制作参考作品考察、今回は「パンツァードラグーン リメイク」。1995年にセガサターンで発売されたシューティングゲームのリメイク作品です。
「ドラゴンに跨り、大空を駆ける」という少年心をくすぐる設定と、従来のドラゴンのイメージを覆す斬新なデザインと美しいグラフィックで、今もなおファンの多い名作シューティングです。
作曲は東 祥高氏。サウンドに関しては、今回のリメイク版でもオリジナルと同じものを使用しています。逆に言うと、当時からこのクオリティであったのはスゴイ。
パンツァードラグーン:オリジナル版の時代
ハードウェアの進化に圧倒される
オリジナル版が発売されたのはもう25年以上前。当時はまだプレステやサターン、ニンテンドー64などの次世代機と呼ばれるハードが生き残りをかけてしのぎを削っていたころ。
私はプレステよりも先にサターンを購入していた記憶があります。ハード本体と同時に購入したのが「バーチャファイター」とオリジナル版「パンツァードラグーン」でした。
まだスーパーファミコンが現役稼働してた時代(FF6が1994年発売)に、このパンツァードラグーンのグラフィックとサウンドは驚異的でした。
特にサウンドに関しては「ゲームサウンドはついにここまで来たのか…」と驚愕したものです。
その頃の私はまだ音楽専門学校の学生でした。この作品も、私がサウンドクリエイターとして仕事をすることを選ぶキッカケの一つだったかも知れません。
シーケンサーで耳コピする日々
当時まだDTMを初めたばかりだった私は、Mac「PowerPC 6200」にシーケンサー「Vision」、そしてローランドの「SC-88」という音源で、このゲームのサウンドを耳コピしたものです。懐かしい。。
ちなみに当時はSMF(スタンダードミディファイル)が市販されており、このパンツァードラグーンのMIDIデータもフロッピーディスクで販売されていました。
自分で打ち込んだMIDIと市販のMIDIを比較し、答え合わせなんかもしていた記憶があります。時代を感じますね(笑)
リメイク版
オープニングムービー
さてこのパンツァードラグーン、やはりオープニングムービーが印象的。美しいCGと映画のような音楽演出は素晴らしいの一言です。
トリみたいなウマみたいな変なの(?)に乗る主人公は、旅の途中に巨大な帝国戦艦と遭遇。謎の遺跡を発見し、ブルードラゴンの戦闘シーンを目撃します。
致命傷を負ったドラゴンの操縦士は「奴を止めてくれ…」という遺言を主人公に残し息絶えます。彼の意思を受け継いだ主人公は、ブルードラゴンにとともに帝国艦隊を追っていくというストーリーです。
改めて見てみると、主人公の巻き込まれた感がスゴイ(笑)
もし自分が同じ立場だったら、このままドラゴンに乗ってどっかに遊びに行ってしまいそうです。
ゲームプレイ
ゲーム自体は独特の浮遊感を持つドラゴンを操作し、ロックオンと連打を駆使して迫りくる敵を撃ち落としていくシューティング。
そこまでシビアな操作は求められず、敵の出現箇所を覚えることができれば撃墜率100%もさほど難しくはありません。覚えゲーに近いです。
ステージ1は水上都市の美しさもさることながら、オーケストラによるBGMが圧巻。果てしなく広がる大空のイメージと、空を切る爽快感を両立する名曲です。
ステージ1から3までは適当にプレイしていてもクリア可能ですが、ステージ4以降は難易度が格段に上がり、何度かトライして敵の出現場所を覚えないとクリアは難しくなってきます。
また、ロックオンと連打の使い分けも重要です。ボス相手には連打のほうがダメージを与えやすい場合もあります。
ラスボスとなるスーパードラゴンを撃破すればエンディングです。設定は壮大ですが、ストーリー自体は最後までなんだかよくわからなかった(笑)
まあ、この作品はストーリーよりも、世界観ややりこみプレイを楽しむゲームなので何も問題はありません。
サントラが配信中
現在、パンツァードラグーンシリーズのOSTが各種音楽ストリーミングサービスで配信中です。
また、2021年1月には小林早織氏による楽曲アレンジされたデジタルアルバム「Panzer Dragoon: Remake The Definitive Soundtrack」が配信開始されています。こちらのアレンジ版も超カッコイイ!
どうせなら今回のリメイク版、このアレンジされた楽曲を使用してくれれば良かったのになぁ…。