今回は私がサウンドクリエイターとして最も衝撃を受けたアーティスト「喜多郎」の名曲をご紹介します。
喜多郎はシンセサイザー奏者として70年代から独自の世界観による楽曲を多数発表し、グラミー賞にゴールデングローブ賞といった賞も数多く受賞しています。現在はアメリカ在住。
日本でもヒーリングミュージックの第一人者として有名ですが、あまりにも独特の世界観から敬遠している人も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介するのは喜多郎の代表曲とも言える不朽の名作ばかりです。ぜひその世界観を味わっていただきたいと思います。
不朽の名曲9選
シルクロードのテーマ
まずは喜多郎と言えばこの曲。NHKドキュメンタリー「シルクロード」のテーマ曲です。
私の中学時代、文化祭の展示物のBGMになりそうな曲を持ってくるように友人から頼まれ、親に相談してみたところ、この「シルクロード」のカセットテープを貸してくれました。
これを自宅のオーディオで聞いた時の、まさに頭を殴られたかのような衝撃は今でも忘れられません。
この世界観は自分の中に全く存在しないものでした。その後の私の音楽人生に大きな影響を与えたと言っても過言ではありません。
楽曲自体は8分音符と16分音符を重ねただけのシンプルなアルペジオから、特徴的なシンセ音色のメロディにつながります。
喜多郎といえばこのシンセリード音色なのですが、当時エレクトーンしか知らなかった私にとって、このシンセサイザーの世界観は斬新でした。当時のエレクトーンでは、どうがんばってもこの音は出なかったですからね…。
結局、自室でヘッドホンで一晩中このアルバムを聞いていました。
当時「こんな音楽が作ってみたい!」と漠然と考えていたっけなぁ…。
そんな子どもの頃からマニアックな音楽聞いてたのね。
…。
古事記より 恋〜KOI〜
日本神話「古事記」のストーリーを6曲の組曲として表現した、1990年発売の超大作アルバム。大げさでなく、まさに圧倒的と言える大作です。
まずは組曲の3曲め「KOI」。静かで美しいメロディが印象的。実はこのあとの楽曲「大蛇(Orochi)」への壮大な前フリでもあります。
古事記より 大蛇~Orochi~
上の「恋~KOI~」から続く楽曲。
~KOI~とはうって変わり、荒れ狂う八岐の大蛇をド迫力で表現します。喜多郎の鬼気迫るパフォーマンスも必見。
途中で出てくるエレキギターソロもカッコイイ!
アンタ、ギター弾けないもんね。
…。
古事記より 饗宴~Matsuri~
古事記のクライマックスである、天岩戸の前での宴会を和太鼓で表現する「饗宴(Matsuri)」。
「大蛇~Oroch~」とはまた違った、迫力の中に表現される荘厳さに圧倒されます。
岩戸が開き、天照大神の力で光が注ぐラストは鳥肌モノです。
天と地
同名の映画のテーマ曲であり、グラミー賞受賞曲。
民族楽器を多数使用した、非常に独特の世界観の曲で、オリエンタルなメロディーラインに繊細さと大胆さを表現した、まさに「天と地」
Lady of Dreams
喜多郎自身が企画、音楽を努めた映画「十五少女漂流記」の曲。
ボーカルにロックボーカリストのジョン・アンダーソンを迎えているということもあり、他の喜多郎楽曲とは若干毛色が違うものの世界観は健在。もの悲しげなメロディとシンセリードによるコードの刻みが印象的。
母なる大河
NHK「四大文明」のテーマ曲。
ボーカルにカウンターテナーのスラヴァを迎え、エジプトや中国などのオリエンタルな雰囲気を雄大に表現しています。
ヒーリングコンペレーションアルバムにも収録されていたため、そちらでも有名かもしれません。
Thinking of you
2000年発表のアルバム「Thinkin of you」収録。
シルクロード同様「これぞ喜多郎」というべき、シンプルながらも温かみのある音色とメロディ。
キャラバンサライ
1983年発売のアルバム「シルクロード天竺」収録。
個人的には喜多郎楽曲でも上位に入る好きな曲です。もの悲しげなメロディとシンセリードがこれ以上ないほど美しく紡ぎ合います。
まとめ
この独特の表現、やはり喜多郎にしか出せない圧倒的な世界観ですね。
私の作曲家人生にも大きく影響を与えた壮大な楽曲の数々、ぜひ皆さんも堪能してみてはいかがでしょうか!?