2019年からずっと話題になり続けているビジネス書「FACTFULNESS」。
意味としては「データを基に世界を正しく見る習慣」だそうです。常識に対する思い込みを排除し、データに基づく事実を正しく認識することの重要性を、10個の思い込み思考を元に説いています。
10個の思い込みは以下のとおり。
- 分断本能 「世界は分断されている」
- ネガティブ本能 「世界はどんどん悪くなっている」
- 直線本能 「XXXはひたすら増え続ける」
- 恐怖本能 「それほど危険でないことを、恐ろしいと考えしまう」
- 過大視本能 「目の前の数字が重要だと考えてしまう」
- パターン化本能 「ひとつの例が全てに当てはまる」
- 宿命本能 「すべてはあらかじめ決まっている」
- 単純化本能 「世界はひとつの切り口で理解できる」
- 犯人捜し本能 「誰かを攻めれば物事は解決する」
- 焦り本能 「いますぐ手をうたないと大変なことになる」
全体を要約すると「思い込みによる思考を止め、正しい視点で考える癖をつけよう」ということ。これ自体は非常に重要で、この本から得られる気づきは数多くあります。
ただ、これらの問題を示す実例が世界全体の問題に及んでいるため、多くの日本人にとっては身近な話ではなく、若干とっつきにくいのも事実。
内容が普段の生活からあまりにもかけ離れているため、途中で読むのをやめてしまった人も多いのではないでしょうか。
話題になってる割には、ブックオフで山積みになってたりするもんね。
この本の本質を理解する前に、読むのをやめてしまうのはもったいない!
ということで、この「FACTFULNESS」をより深く理解するために、あわせて読むべき本をご紹介します。
これらの本を読んだあとに「FACTFULNESS」をもう一度読めば、かなり理解しやすくなるはずです。

FACT(事実)を理解するのにオススメ本
日本と世界を知るためのファクト図鑑

まずは元ロシア日本国大使館勤務、佐藤優氏が監修するこの本。
佐藤優氏の本は、「世界の政治や宗教を交えた非常に難解な本」と「一般ビジネスマンに役に立つ非常に簡単でわかりやすい本」の2種類に大きく分かれているのですが、この本は後者に分類されます。
日本国内や世界全体のファクト(事実)が図解やイラストを交えて非常にわかりやすく説明されており、大人はもちろん中学生ぐらいの子どもにもオススメできます。
内容は以下の3章立て。
- 第1章 日本を正しく知る
- 第2章 隣国を正しく知る
- 第3章 世界を正しく知る
特に第1章は必読。日本国内での身近な誤った思い込みを、データをもとに正しい事実で解説していきます。
例えば食品ロス問題は「コンビニでの賞味期限切れ食品の廃棄ばかりが問題視されているが、実は各家庭での食品廃棄量のほうが多い」という事実をデータをもとに示しています。これは目からウロコです。
このような身近な実例が数多く挙げられており、多くの知識を得ることができます。
あと、挿入されているイラストが妙にリアルで可愛らしい。特にこの人(笑)

2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望

メディアアーティスト 落合陽一氏の著書。
SDGs(持続可能な開発目標)に基づき、グローバルな視点で経済問題、社会問題を図解付きでわかりやすく解説しています。
- 第1章 2030年の未来と4つのデジタル・イデオロギー
- 第2章 「貧困」「格差」は解決できるのか?〜サードウェーブ・デジタルと、個人の可能性
- 第3章 地球と人間の関係が変わる時代の「環境」問題〜GAFAMは「環境」と「資本主義」の対立を越えるか
- 第4章 SDGsとヨーロッパの時代
上記の4章で構成されており、特に第2章と第3章は日本人にとっても非常に身近な問題を挙げており「未来に向けて我々が取るべき正しい行動」が何であるのかを考えさせられます。
今を生き、そして未来を担う現役世代なら必読の1冊です。
ちなみにSDGsに関しては別記事で解説してます。

経済学なんて教科書でわかるか!ボケ!!…でも本当は知りたいかも。

さくら剛氏の著書。
この著者の本はどれも非常に面白く、特に経済や政治に関する難しい内容を、これ以上ないほど分かりやすく、面白く解説してくれます。
本書でも「ドラクエの世界で景気対策」や「少年漫画の世界で強さのインフレではなくデフレが起こったら?」など、独自の例えが非常にわかりやすいです。
経済や政治が苦手という人にぜひおすすめしたい1冊です。
ちなみに同じシリーズのこちらもオススメ。発売が2015年のため時事ネタが若干古いですが、非常に勉強になります。
まとめ
今回は「思い込みによる思考をやめ、事実に基づいた知識を身につける」ためにおすすめする必読書をご紹介させていただきました。
世界の環境を良くすることは、結果的に自分の将来に良い影響を与えることにつながります。
世界で起こるさまざまな問題点を他人事と考えず、常に自分とリンクさせて考える癖をつけていきましょう。
