最近、パソコンを使っての音楽制作、いわゆるDTM(デスクトップミュージック)という言葉がだいぶ一般的になってきました。
コロナ禍によって在宅時間が長くなったこともあり、新しい趣味として「自分で音楽を作ってみたい!」という人も増えてきているようです。
今回はDTM初心者、さらに「これからDTMにチャレンジしてみたい」と思っている人たち向けに、宅録で使いやすいオーディオインターフェイスをいくつかご紹介したいと思います。
DTMのもっと基本的な知識が知りたい人は、先に下記の2記事を読むのがおすすめです。(楽曲コンペ記事ですが、DTM初心者にも対応した内容です
オーディオインターフェイスとは
まずは「そもそもオーディオインターフェイスって何?」というところから始めます。
「基本はわかってるのでおすすめ機種だけ見たい!」という人はここをクリック!
主な用途
オーディオインターフェイスはDTMにほぼ必須の機材のひとつと言えます。用途を大まかに説明すると以下のような感じになります。
①パソコンの音を劣化させずにヘッドホンやスピーカーで再生できる
一般的なパソコンには、簡易的なスピーカーとイヤホンジャックが搭載されています。
これらはパソコンの効果音を鳴らしたり、サブスクの音楽を趣味で聞き流す程の使用を想定した、最低限の機能しか備えていません。
普通の使い方であればこれでも全然問題ありませんが、パソコンで音楽を作るとなると話は別です。
パソコンに標準装備のスピーカーやイヤホンジャックでは性能が低すぎて、パソコンで作った音楽を正しい音で確認することができません。
そこでオーディオインターフェイスの出番です。パソコンにオーディオインターフェイスを接続し、そこからスピーカーやヘッドフォンに出力することにより、正確な出音の確認(モニタリング)をすることができます。
また、ツマミ操作で入出力の音量を調整することができる機種であれば、制作の効率も上がります。
②ボーカルやギターなどの演奏した音をパソコンに録音する
ボーカルやギターを自分で録音する場合は、オーディオインターフェイスは必須です。
自宅で録音(宅録)ができるようになると制作の幅が一気に広がり、クオリティも一気に上がります。
この場合はマイク周りの周辺機器も必要になりますが、最初は安いやつで十分です。
オーディオインターフェイスの選びかた
オーディオインターフェイスは多くのメーカーから多数の機種が発売されており、性能も値段もピンキリです。
今回はDTM初心者が最初に導入するのにおすすめの「2in/2out」の小型機種についてザックリ説明していきます。難しいことは抜き!
①入力数・入力端子
ボーカル録音とギター録音を想定し、今回は2inの機種を選びます。
入力端子の形状は大きく分けて3種類ありますので把握しておきましょう。
■標準ジャック(フォーン端子)
もっとも一般的な形状。いわゆる「シールド」と呼ばれる、ギターやベースで使用するケーブルと同じです。
ギターやベースを直接接続する場合は「HI-Z」に対応する機種を選びましょう。
■XLR(キャノン端子)
ボーカル用のマイクケーブルを接続する端子。オス/メスの2種類があり、写真はメス端子。
コンデンサーマイクを使用する場合は電源が必要なため、ファンタム電源(+48V)に対応する機種を選んでおいたほうが良いです。
今はコンデンサーマイクを使っていなくても、後々に購入した際、ファンタム電源に対応した機種でないと使用することが出来ません!
■コンボ端子
フォーン端子、XLR端子の両方を接続することが出来ます。外部スタジオに持ち込んだときなどに汎用性があり、意外と便利です。
出力数
宅録用途であれば、モニタースピーカー出力のための2outとヘッドフォン出力があれば基本的には十分です。
オーディオ性能
性能、数値でチェックしておくべき部分は「サンプリングレート」と「ビット数」です。
■ビット数
16bit、もしくは24bit対応の機種があります。これは24bit対応機種を選んでおけば間違いありません。
■サンプリングレート
こちらは44.1kHz・48kHz・96kHz・192kHzまで対応する機種があり、数値が高いほうが細かいニュアンスを再現可能です。
通常は48kHzまで対応できていれば十分です。
私も長いこと音楽制作の仕事をしていますが、自宅での作曲・アレンジの時点で96kHz以上のデータが必要になったことは1度もありません。
96kHzや192kHzのクオリティが必要な仕事の場合は、宅録ではなくプロのスタジオでレコーディングをするのがほとんどです。
PCとの接続端子
接続端子は主に下記の3種類です。
- USB接続
- Thunderbolt接続
- Firewire(IEEE1394)接続
ただ、今後はFirewire(IEEE1394)は主流とはなり得ませんし、Thunderboltは高価なわりには宅録レベルでの恩恵は少ないです。
USB接続を選択しておけば間違いありません。
ということで、初心者向け、宅録での最適なオーディオインターフェイスのスペックは、下記を目安に選ぶと良いと思います。
■USB接続
■2in/2out
■24bit/48kHzまで対応
2in/2out おすすめ機種
STEINBERG / UR22mkII
まずは定番のコチラ。初心者には一番オススメできる機種です。なぜこの機種を最初に紹介したかと言うと、私が元ヤマハだからです(笑)
STEINBERG製ということでCubaseとの相性は抜群ですが、私はMac&Logic Proという環境で使用しており、安定度、動作ともにまったく問題ありません。
また「Cubase AI」が付属しており、パソコン+この機種購入で最低限の音楽制作環境ができあがるのも魅力です。
FOCUSRITE / Scarlett 2i2
こちらも定番。メーカー名は「フォーカスライト」と読みます。ビビッドなカラーが特徴的。
派手なカラーリングとは裏腹に、インターフェイスはシンプルで使いやすく、性能的にも十分です。またツマミ類はカラー電飾で見やすく、直感的に操作することができます。
「Ableton Live Lite」をはじめとしたソフトウェアが多数付属されているのも魅力。コストパフォーマンスは高いです。
ZOOM / UAC-2
いち早くUSB3.0に対応したZOOM UAC-2。銀ピカの見た目が個人的に大好きです。
スペック的にはまったく問題ありませんが、私の使用環境ではUSB3.0の恩恵はそれほど感じられませんでした。
また、発売当初はApple Logicとの相性が悪く、エラーが多発していたため、Logicユーザーにはおすすめしません。
もちろんWindows環境であれば問題ありませんので、USB3.0に魅力を感じれば購入もアリです。
Native Instruments / KOMPLETE AUDIO 2
プロ用音源の定番で知られるNative Instrumentsのオーディオインターフェイス。この機種もスタインバーグ製品と同じぐらいおすすめです。
この製品、写真で見るイメージよりもずっとコンパクトです。作業デスクで邪魔にならないのはかなりのメリット。
そしてコンパクトなボディに対してボリュームノブが大きく、コントロールパネルもシンプルで非常に使いやすいです。
同じNI製のMIDIキーボードも定番なので、そろえて使ってみるのも統一感があって面白いと思います。
ROLAND / Rubix22
最近は海外メーカーの影に隠れがちですが、オーディオインターフェイスの老舗といえばローランドです。
国内メーカーならではの安定性、堅牢性は抜群です。
私はこの機種の前モデル「UA22」を使用していました。モバイル用途も含め、かなりハードな使い方をしていたにもかかわらず、長期間不具合も起こさずに頑張ってくれました。
後継機のRubix22も、UA22以上の信頼性を発揮してくれます!
M-AUDIO / AIR 192|4
DTM関連機材で高い人気とシェアを誇るM-AUDIOのデスクトップ型インターフェイス。
このタイプのオーディオインターフェイスは、ミキサーのように机の上で操作できるため、一人でギターなどを録音する場合に操作がしやすく重宝します。
ギター弾き語りの録音なんかには特におすすめです!
まとめ
今回はDTM初心者に向けて、2in/2outのオーディオインターフェイスをご紹介しました。
今回紹介したものはコストパフォーマンスが高く、どれを選んでも間違いはないと思います。
まずは最低限の音楽制作環境を準備し、DAWライフを楽しんでいきましょう!