最近ようやく少しずつ世間に浸透してきたサステナブルという言葉。
個人での認知度はまだまだ低いものの、大企業は積極的にこのSDGsを事業内容に取り入れ始めています。
そういえば企業のテレビCMやプロモーションビデオで、サステナブルという言葉をよく耳にするようになった気がするわね。
SDGsは企業としても無視できない、重要な要素となりつつあるね。
今回は、なぜ企業がSDGsという言葉に注目しているのかという点について考えてみたいと思います。
企業がSDGsに取り組む理由
企業が積極的にSDGsに取り組むのには、以下のような理由があります。
①社会的信頼性を得るため
いま、世界中で環境改善のための活動が進んでいます。この動きの中で企業がSDGs達成のための目標を掲げ、実際にそのための活動をしていれば、それだけでも企業としての信頼性は上がるでしょう。
日本国内でも、環境改善のための目標を掲げ、商品開発はもちろん、雇用やジェンダー問題、CO2排出削減などに積極的に取り組んでいる会社は多いです。
企業がどんな目標を掲げているか、一般の人も知ることができるの??
多くの場合、自社HPの「企業情報」などでSDGs目標を公開しているよ。
たとえばトヨタのHPには「サスティナビリティ」という専用ページが作られています。実際にどのような活動をしているのかを知ることで、その企業を応援したり商品を購入したりするのにつながってくると思います。
②新規ビジネス開発
2020年、菅内閣は「2050年までにCO2排出量を実質的にゼロにする」という目標を掲げました。スバラシイ!
実現の可能性はともかく、今後この動きは加速していくでしょう。企業や事業家にとっては、これは新たなチャンスと言えます。
企業が環境改善のための商品や事業を開発し、それによって新たな雇用が生まれ、経済発展とともに個人も豊かになっていけば理想的。一石四鳥ぐらいです。
SDGsを推進しないリスクは高い
逆に、今後はSDGs目標を掲げない事自体がリスクとなっていくと思います。というより、目標を掲げないと企業として問題を抱える原因ともなってきます。
ワインスタイン・カンパニー事件
記憶に新しいのはワインスタイン・カンパニー事件。
大手映画会社のワインスタイン・カンパニーは、女優へのセクハラや性的暴行を繰り返していたことが女優たちの告発によって発覚し、経営破綻に追い込まれました。
人権を無視した経営者が破綻、転落するのは当然の成り行きと言えます。
ちなみにこのときは、SNSで「自分も被害者だ」と告発する被害者女性が次々と名乗り出て(MeeToo運動)、会社内の問題が社会問題へと発展していきました。
SNSを使った不正を正す運動は、今後も増えていくと思います。
ちなみに日本も男女格差が非常に大きい国と言われており、先進国では最低レベルの121位です。これは情けない。。
ナイキの不買運動
1997年には、アメリカのスポーツメーカーのナイキが、南アジアの工場で不正な児童労働をさせていたことが発覚し、ナイキ商品の不買運動に発展しました。
その後、ナイキは労働条件の改善を約束しましたが、信頼回復には大きな時間を要しました。
SDGsは反しても罰則はありませんが、社会的信頼を失うリスクは非常に大きいと言えます。
ちなみに2017年時点では、世界の不正な児童労働人口は1億5200万人、世界の子供の10人に1人にのぼると言われています。
日本で生活していると、なかなか信じがたい数値ですね…。
日本国内の例
もちろん日本国内にも事例は数多くあります。
古くは1950年代の「水俣病」「第二水俣病」「イタイイタイ病」「四日市ぜんそく」の四大公害病。これも企業の工場が川や空気中に放出した有害物質が原因です。
そして近年は非正規雇用による社会格差、コロナ禍による雇い止めなど、問題は山積みです。
問題解決へ向けて
このように、企業とSDGsは密接に関係しています。
今後は、たとえば「この企業の製品ならば環境に配慮しているので信頼できる」という視点で商品を選ぶというのもアリかもしれません。間接的に環境問題に配慮できていると言えると思います。
また就職先も「環境に配慮している会社」を選択肢として選ぶのも良いと思います。
なんにせよ、企業が率先してSDGsを率先して実践し、個人もそれに追従して行動を起こしていくことが、問題解決の近道なのかもしれません。
できることから始めよう。最初の一歩こそが大事です。