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楽曲コンペで提出する曲は、1コーラス構成(Aメロ-Bメロ-サビ-エンディング)で1分半~2分程度におさめるのが一般的です。
この短さだと、やはり冒頭のインパクトがかなり重要になってきます。聞いた瞬間にプロデューサーに「お!?」と思わせることができればかなり有利ですね。
この冒頭部分をイントロにすべきか、それとも頭サビにすべきか?これは楽曲コンペにおける永遠のテーマと言えるかも知れません。
私も曲の作り始めはいつも迷っています…。
迷ってる時間はできるだけ短くしたいねぇ。
楽曲コンペ:有利なのはどっち?
頭サビが有利と言われるが…
現在のJ-POPは「サビ偏重型」と言えます。とにかくサビの盛り上がりを重視し、Aメロ-Bメロはあくまでも「サビまでのつなぎ」という位置づけの楽曲構成です。
もちろんこれが悪いというわけではありません。
■Aメロで導入
↓
■Bメロで緊張感を持たせつつ抑える
↓
■サビで一気に開放
このようなJ-POPの一般的な構成は理にかなっており、聴きごたえもあります。
となると、やはり1番盛り上がるであろうサビ部分を冒頭に持ってくれば、聞き手に強烈なインパクトを与えることができそうな気がします。
巷では「コンペは頭サビが有利!」という情報が多く出まわっており、実際私も数多くの頭サビ楽曲をコンペに提出しています。
ところがですよ。
私の採用楽曲の場合
私がコンペで採用された楽曲、全部イントロから入っている曲なんですよね。頭サビの楽曲はことごとく落ちています(涙)
ホントに頭サビって有利なの!?
イントロから入っている曲で共通しているのは「デモの段階からある程度高いクオリティのイントロを意識して作っている」という点でしょうか。
頭サビの有名J-POP
実際に、頭サビではじまるJ-POP曲をいくつか聞いてみましょう。
YOASOBI「夜に駆ける」
サビメロディに少しだけ変化をつけたイントロ。
王道アレンジではありますが、冒頭のオケを控えめにすることにより、続くピアノの印象的なリフをさらに強烈にしています。
というより、全編に渡って「一度聞いたら忘れさせないインパクト」にあふれています。スゴい曲だ…。
いきものがかり SAKURA
シンプルなピアノ伴奏が美しいメロディを引き立てます。歌い出しから聞き手のハートをガッチリつかんでますね。
西野カナ 会いたくて会いたくて
「会いたくて 会いたくて 震える」という絶大なインパクトの歌詞と、きらびやかな高音域の歌唱。それを演出するシンプルなピアノ伴奏。これ以上ない歌い出しです。
よくこんな歌詞を思いつくな〜。すごいなぁ…。
SMAP 世界に一つだけの花
説明不要の名歌詞「ナンバーワンにならなくていい もともと特別なオンリーワン」を、覚えやすいメロディに乗せ、冒頭から聞き手に印象的に語りかける。
大ヒットする要因は他にもたくさんありそうです。研究しがいのある1曲。
共通する点は?
この4曲の冒頭には、3つの重要な共通点があります。
3つの共通点のうち、2つは簡単ですね。
共通点①:メロディが親しみやすい(覚えやすい)
共通点②:歌詞のインパクトが絶大
そして、もう一つの共通点がコンペにおいては重要になります。
共通点③:頭サビは部分は構成上、伴奏アレンジが本サビよりシンプルになっている
もしこの4曲の頭サビ部分の伴奏が、Aメロ-Bメロ後の本サビと同じような豪華なアレンジだったとしたらどうなるでしょう?
インパクトはあるかもしれませんが、①と②の良さを殺してしまう結果になりかねません。
そして伴奏をシンプルにするとなると、メロディと歌詞を相当なインパクトのあるものに仕上げなくてはならないでしょう。
参考の4曲はどれも冒頭のメロディ、歌詞ともにインパクト絶大。アレンジも素晴らしいのですが、決してアレンジに頼ったインパクトではないところが素晴らしい。
サビ頭かイントロか:結論
あくまで「コンペで勝つ」を前提とした場合の話ですが、結論は以下のとおり!
- サビのメロディと歌詞に絶対の自信があるならば「頭サビ入り」でインパクトを出す
- そこまで自信がなければ、アレンジに気合を入れた「イントロ入り」で聞き手の心をつかむ
…と言えるかもしれません。参考にした上記4曲のような頭サビ曲を作れるのなら、コンペ勝率はかなりのものになるハズですからね(当たり前ですが)
自分で言っておいて何ですが、私にとっては非常に厳しい結論になってしまいました。頭サビの曲が採用されないということは、メロディや歌詞のインパクトが欠けていると言えますもんね…。
まだまだ努力と研究が足りないようです。日々是精進。