■楽曲コンペ関連記事
【楽曲コンペ〜導入編】
【準備する機材 その1】
【準備する機材 その2】
【参考にしたい書籍】
【イントロと頭サビ】
【作曲の段取り】
【挑戦する理由】(この記事)
当ブログでは「楽曲コンペ」についての記事をいくつか書いていますが、今回は「CDが売れない時代の今、あえてコンペにチャレンジしてみるべき理由」について考えてみたいと思います。
■楽曲コンペそのものについてイチから知りたい!という人は下記の記事をチェック!
■コンペにおける作曲の具体的な手法については下記の記事に記載しています。興味のある人はチェックしてみてください。
作曲家デビューを目指して、日々厳しい戦いが繰り広げられている楽曲コンペ。
コンペについてネットで検索してみると、なんだかあまり良いウワサを聞きません。
- 採用率が低すぎる(実力があるのを前提に1%程度)
- 提出した楽曲がなかなか返却されない
- 事務所によっては金銭を要求される場合がある
- 採用されなければ無収入
- 無収入どころか、仮歌や仮歌詞でお金がかかる
などなど…。ネガティブな記事ばかりが目立ちます。
それでも、個人でDTMで音楽制作活動をしているのであれば、1度ぐらいはコンペに参加してみるのは悪くないと思っています。個人活動だけでは見えてこない、成長につながる要素がたくさんあります。
今回は楽曲コンペに参加することによる、ポジティブな要素をいくつか挙げてみたいと思います。
インスト作曲だけでは限界があった
個人活動だけでは見えないものもある
もう20年以上も前になりますが、私がフリーの音楽クリエイターとして活動を開始したのは、ヤマハ(株)で着メロ制作者として採用されたことがキッカケでした。
この頃から、会社の仕事以外にもBGM作曲や楽譜制作などの仕事を個人で受注したりしていました。
この頃の私は技術的に非常に偏っていました。作曲するのはインストBGMオンリーで歌モノとはまったく無縁、さらにPCによる打ち込み制作100%だったため、レコーディングやディレクティングに関する知識も皆無でした。
当然、こんなに偏った制作スタイルではすぐに限界が来ます。着メロブームが去ったあと、私はすぐに仕事に行き詰まることになりました。
よくわからないままコンペに参加
その後、縁あってT&E Corporationの熊谷社長と仕事のお話をさせていただき、そのときに「コンペも参加してみませんか?」というお誘いを受けました。
コンペどころか歌モノ曲さえまともに作ったことのなかった私ですが、ここでチャレンジしなければ現状のまま人生を終えてしまいそうな恐怖もあり、コンペへの参加を決意。
ここから現在まで、コンペに参加させていただいております。
楽曲コンペ参加で得られること
それでは実際にコンペに参加してみて良かったこと、学べたことをいくつか挙げていきます。
①作曲のジャンルが広がる
当然ですが、コンペではさまざまなジャンルの曲が発注されます。アイドル系、バラード系、ロック系などなど…。
個人でクリエイター活動をしていると、どうしても自分の得意のジャンル、表現したいジャンルの楽曲制作に偏ってしまうため、なかなかそれ以外のジャンルの曲を作る機会がありません。
コンペに参加すれば、イヤでも多くのジャンルの曲を作らなくてはならないため、対応力が上がります。
私の場合はそれまでインスト楽曲しか作っていなかったので、まずは流行のJ-POPを徹底的に聴き込み、コピーすることで練習を積みました。
②制作スピードが大幅UP
楽曲コンペは多くの場合、発注から提出期限までが1週間程度であることが多いです。
つまり、ストック曲を使わずに新規で曲を作る場合、1週間の間に作曲、アレンジ、ボーカル録り、ミックスを終わらせなくてはなりません。私も最初は「こんなの絶対無理!」と思ったものです。
それでも何曲も作っているうちに、このスピードで作曲するのが普通になっていきます。慣れとは恐ろしいものです。
制作スピードは、クライアントとの信頼を築くための重要な要素になり得るため、コンペで作曲スピードを鍛えておくのは非常に効果的です。
③自分以外の人間と協業できる
これも個人で活動しているクリエイターにありがちですが「自分ひとりで制作が完結している」人が非常に多いです。
コンペに提出する楽曲は、仮歌が入っていたほうが圧倒的に有利なため、どうしてもボーカリストさんや作詞家さんに作業をお願いすることになります。(自分で歌える場合は別ですが)
仮歌や仮歌詞を専業として活動しているクリエイターさんも多いので、そういった人たちに有料で仕事をお願いすることになります。
これにより、先方との交渉力や、要望を正しく伝えるディレクティング力が自然に鍛えられることになります。
この交渉力、ディレクティング力も非常に重要で、将来的にクライアントから仕事の依頼を受けたいと考えているのであれば、必須の能力となります。これもコンペを通して慣れることができます。
④人とのつながりが増える
これは③と重なる部分がありますが、ボーカルや歌詞、ギター演奏などを外注することにより、ヨコの人脈を広げることができます。
これにより、コンペ以外の個人活動でも人脈を活かすことができるため、活動の幅が大幅に広がります。
まとめ
コンペに参加することで、たとえ楽曲が採用されなかったとしても勉強になることはたくさんあります。
ネガティブな情報ばかりに左右されず、一度くらいは積極的になってチャレンジしてみるのも良いかと思います。